K18は本当に一番良いのか?ホワイトゴールドの酸化・色・輝きの科学

「ファインジュエリーにはK18が最適。酸化しにくく、色が最も美しく、輝きも一番良いから」——商品ページでよく見かける説明です。しかし金属化学の視点から検証すると、この説明が正しいのは一部だけで、市場の大半を占めるホワイトゴールドについてはほとんど成り立ちません。本記事では、K9・K14・K18に実際に何が起きているのかを、化学とめっき工学の観点から順に整理していきます。

著者:MIHO(IGI Certified Professional) 監修:Winston Wu(ダイヤモンドバイヤー) 最終更新: 読了時間:約12分 カテゴリ:ジュエリー地金の知識

結論から申し上げます。純金は常温常圧では酸化しません。K金が変色するのは、混ぜられている銅と銀が原因です。そしてホワイトゴールドの場合、目に見える表面はそもそも金ではなく、0.75〜1.0ミクロンのロジウムめっき層です。この層はK9でもK14でもK18でもまったく同じ金属です。硬度と傷への強さという別のテーマについては、姉妹記事のKゴールドと純金の違い:純度・硬度(HV)ガイドをご覧ください。

ゼロ常温の空気中における
純金の酸化速度
0.75〜1.0μmホワイトゴールドの
標準ロジウムめっき厚
50 at%合金が耐食性を得る
金の原子百分率のしきい値
約600°Cロジウムが酸化を
始める温度

結論:「K18が優れている」という説明のどこが誤りか

「ファインジュエリーにはK18が最適」という主張を3つの具体的な論点に分解し、それぞれを検証すると次のようになります。

よくある主張ホワイトゴールドイエローゴールドローズゴールド
K18は酸化しにくい✗ 成り立たない
表面はロジウム
✓ 一部正しい
50 at%のしきい値を超える
✓ 一部正しい
ただし3色中最も変色が早い
K18は色が最も美しい✗ 成り立たない
めっき後は3者とも同一
✓ 正しい
金色が実際に濃い
△ 配合による
K9のほうがピンクが濃い
K18は輝きが最も良い✗ 成り立たない
輝きはロジウム層由来
✗ 成り立たない
研磨精度で決まる
✗ 成り立たない
同上
K18は耐久性が高い✗ むしろ逆
K18は軟らかい(約125 HV)
✗ むしろ逆
K9は約170 HV
✗ むしろ逆
同上

ビッカース硬度(HV)の数値と、それが日常生活で何を意味するのかについてはKゴールドと純金の違いガイドで詳しく解説しているため、本記事では繰り返しません。

✓ ひとことでまとめると

K18が唯一きちんと擁護できる主張は、イエローゴールドとローズゴールドの長期的な変色しにくさだけです。ホワイトゴールドにおいては、K18とK9の間に、変色・色・輝きのいずれについても観察できる差は存在しません。なぜなら、あなたが見て触れている表面は、その金ではないからです。

金は酸化するのか——K金が変色する本当の化学的理由

日常語としての「酸化」は、金属が黒ずむ・くすむ・変色することの総称として使われます。しかし化学では厳密な定義があります。ある金属が空気中で反応するかどうかを判断する指標は標準電極電位で、この値が高いほど電子を手放しにくく、安定していることを意味します。

金属標準電極電位常温の空気中での挙動K金における役割
金 AuAu³⁺/Au = +1.50 V酸素・水・硫黄と反応せず、金属の中でも最も不活性な部類主金属。変色しない
ロジウム RhRh³⁺/Rh = +0.76 V約600°C以上で初めてRh₂O₃を生成。常温では無反応ホワイトゴールドのめっき層
銀 AgAg⁺/Ag = +0.80 V酸化はしないが、空気中の硫化水素と反応し黒色のAg₂Sを生成割り金。灰黒色のくすみの原因
銅 CuCu²⁺/Cu = +0.34 V酸素とCu₂O/CuOを生成。汗の塩化物イオンや硫黄とも反応割り金。褐色・赤黒・緑の変色の原因
亜鉛 ZnZn²⁺/Zn = −0.76 V酸化しやすいが、K金中の含有量はごく微量微量の流動性向上材

結論は明確です。K金ジュエリーに生じる変色は、そのすべてが銅と銀に由来し、金そのものに由来する部分は一切ありません。K24の純金が何十年経っても変わらないのは、反応する相手がほとんど含まれていないからです。また、銀製品によく見られる黒ずみも実は酸化物ではなく硫化銀であり、大気汚染・卵・玉ねぎ・ウール、そして人の汗に含まれる硫黄化合物が原因です。

⚠️ 用語について

ジュエリー業界で「酸化」と呼ばれている現象は、実際には3つの異なる反応が混ざったものです。酸化(銅と酸素)、硫化(銀・銅と硫黄)、そして塩化物腐食(汗)です。日常着用でリングがくすむ主因は、実は後者の2つであって酸素ではありません。これが分かると、変色を防ぐ鍵は「K数を上げること」ではなく「割り金を肌と空気から遮断すること」だと理解できます。

ホワイトゴールドの真実:K9・K14・K18の表面はすべて同じロジウム

本記事で最も重要な部分です。純金は黄色ですから、金にパラジウム・ニッケル・銀を混ぜた「ホワイトゴールド」は、実際には真っ白ではありません。地の色はグレーがかった、あるいはクリーム色を帯びた白で、金の含有量が高いほど黄色みが残ります。つまりK18ホワイトゴールドの地色は、K9ホワイトゴールドよりも黄色いのです。全体の4分の3が黄色い金属なのですから当然といえます。

業界はこれを、仕上げた製品の表面にロジウム(Rh)を電気めっきすることで解決しています。ロジウムは金より高価な白金族金属で、可視光の反射率が非常に高く、化学的にきわめて不活性です。ホワイトゴールド特有の、冷たく鏡のような白さは、このロジウム層が生み出しています。

 

K9ホワイトゴールド(AU375)

金37.5%、残りはパラジウム・銀・銅など。地色がクールグレー寄りのため、めっきが薄くなったときの色の差が最も目立ちにくいのが特長です。

表面の金属100% ロジウム
地色クールなグレー白
地金の硬度約170 HV
 

K18ホワイトゴールド(AU750)

金75%。パラジウムやニッケルで白くしても、地色ははっきりとしたクリーム系の黄白色のまま。めっきが薄くなると色差が大きく、変化が目に付きやすくなります。

表面の金属100% ロジウム
地色クリーム系の黄白色
地金の硬度約125 HV

⛔ 「K18ホワイトゴールドは白くて輝きが良い」が成り立たない理由

ホワイトゴールドの目に見える表面が、下地がK9でもK14でもK18でも同じロジウムを同程度の厚みでまとっているのなら、「K18ホワイトゴールドは変色しにくく、白く、輝きが良い」という主張は物理的に成立しません。この3つの指標はすべてめっき層が決めており、めっき層の組成は下地のK数とまったく関係がないからです。実際に差が出るのはめっきが薄くなったあとの見え方で、その点ではむしろ地色がロジウムに近いK9のほうが有利です。

ホワイトゴールドの輝きは金の含有量とは無関係

「輝き(光沢)」は数値で測れます。決めているのは2つ、可視光の反射率表面粗さ(Ra値)です。前者は光がどれだけ返ってくるか、後者は返ってきた光が鏡のように集まるか、霧のように散るかを決めます。

  • 反射率:ロジウムは可視光域全体で約75〜80%を反射し、しかも波長による偏りが小さいため、色味を帯びずクールな白に見えます。金は赤の波長では95%以上を反射しますが、青の波長では約40%まで落ちるため黄色く見えます。ホワイトゴールドの地金は、K9でもK18でも、その上に載るロジウムより反射率が低いのです。
  • 表面粗さ:同じ一点でも、粗い仕上げと鏡面仕上げの見た目の差は、K9とK18の材質差よりはるかに大きくなります。高精度の研磨ではRa値を0.05ミクロン以下まで落としますが、これは職人の作業時間の問題であって、金の含有量とは関係ありません。

お客様が2本のリングを持って来店され、「どちらがK18ですか」と尋ねられたことがあります。片方はK9、片方はK18、どちらも再めっき直後でした。5分ほどご覧になって、外されました。目が悪いわけではありません。その2つの表面は、もともと同じ金属だったのです。

— MadisonDia 尖沙咀(チムサーチョイ)店舗にて

ホワイトゴールドは変色するのか——ロジウムめっき厚がすべてを決める

ホワイトゴールドは確かに見た目が変わります。ただしその原因は酸化ではなく、めっき層が摩耗して地金が露出することです。したがって寿命を決める変数は、めっき厚・着用部位・化学物質への接触の3つになります。

めっき仕様厚み主な用途日常着用での想定寿命
フラッシュめっき0.05〜0.2 μm展示サンプル、低価格アクセサリー、銀の変色防止数週間〜数か月
業界標準0.75〜1.0 μmホワイトゴールドのリング・ペンダント・ピアス約12〜24か月(毎日着用)
厚めっき1.5〜2.0 μm摩耗の激しい部位、厚めっき指定の特注約24〜36か月

上記は業界の代表値であり、個別の検査証明値ではありません。ロジウム層は概ね2.5ミクロンを超えると内部応力の蓄積により割れが生じるため、厚ければ良いというものでもありません。

めっき寿命を左右する実際の要因

  • 着用部位:リングが最も早く摩耗します(机、ハンドル、鍵との継続的な接触)。次にネックレス、ピアスとペンダントが最も長持ちします。同じセットでもリングは2年で再めっきが必要な一方、ペンダントは5年経っても良好ということがあります。
  • 化学物質:プールの塩素水、アルコールを含む香水、化粧品、アンモニア系洗剤はロジウム層の消耗を明らかに早めます。ホワイトゴールドが輝きを失う原因として、最も過小評価されがちな要素です。
  • 肌質:汗が酸性寄りの方は、めっき寿命が数割短くなることがあります。
  • 地金の硬度:地金が軟らかいほど圧力で微細に変形し、その上の硬く脆いロジウム層が剥離しやすくなります。この点では約170 HVのK9が、約125 HVのK18より有利に働きます。

✓ 再めっきの時期の見分け方

自然光の下で、摩耗の少ないリングの内側と外側を見比べてください。外側に黄色や灰色を帯びたムラが出ていれば、めっきが薄くなってきたサインです。これは破損ではなく、また地金の品質とも関係ありません。ロジウムめっきを施したホワイトゴールドすべてに共通する、通常のメンテナンス周期です。MadisonDiaでは完成ジュエリーに1年間の無償修理サービスを付帯しており、再研磨・再めっきも対象です。

ローズゴールドが最も変色しやすい理由は銅

ローズゴールドのピンク色は、すべてによるものです。そして銅は、K金の割り金の中で最も反応性が高い金属です。ここから、言われてみれば当然ながら商品ページにはあまり書かれていない結論が導かれます。同じK数であれば、ローズゴールドは必ずイエローゴールドより早く色が変わります。

 

K18ローズゴールド

代表的な配合はAu 75 / Cu 22.5 / Ag 2.5。同じK18のイエローに比べ銅がほぼ倍のため、50 at%のしきい値は超えていてもK18イエローより変化が早くなります

銅の含有量約22.5%
色調やわらかいピンクゴールド
 

K9ローズゴールド

銅が50%を超えることもあり、色調はより濃く、本来のローズ色に近づきます。低K数が美しさで明確に勝る唯一の場面です。その代わり色の変化は最も早くなります。

銅の含有量50%以上
色調濃いピンクレッド

✓ ローズゴールドの「パティナ」は欠点ではなく特長

ローズゴールドが年月とともに帯びる銅の酸化被膜(パティナ)は、アンティークジュエリーの世界では時の経過を示す好ましい特徴として評価されています。もし好みでなければ、専門店での研磨で数分のうちに元に戻ります。地金そのものにはまったく影響がありません。

イエローゴールドの変色速度:ここではK18が本当に優れる

本記事で唯一、「K18は変色しにくい」が成り立つ場面です。ただし成り立つ理由は、商品ページでよく語られているものとは異なります。

金属学には広く引用されているしきい値があります。合金中の金が原子百分率でおよそ50 at%を超えると、表面の金原子が連続した網目を形成して合金を不動態化し、耐食性と耐硫化性が明確に向上するというものです。米国文化財保存学会(AIC)による金合金の腐食化学のレビューにも明記されています:金を50原子百分率以上含む合金は一般に耐食性を持つ(英語)。

ここで重要なのは、これが普段目にする質量比ではなく原子百分率(at%)だという点です。金の原子量(197)は銅(63.5)や銀(108)よりはるかに大きいため、同じ質量比を原子比に換算すると数値はかなり下がります。代表的なAu–Ag–Cu配合で計算すると次のようになります。

K数金含有量(質量)金の原子百分率50 at%を超えるか耐硫化性
K2499.9%約 99.9 at%✓ 大幅に超える変色しない
K1875%(Au75/Ag12.5/Cu12.5)約 55 at%✓ 超える優秀。数年単位で目立った変化なし
K1458.5%(Au58.5/Ag16.5/Cu25)約 35 at%✗ 届かない中程度。長期でわずかなくすみの可能性
K937.5%(Au37.5/Ag22.5/Cu40)約 18.5 at%✗ 届かないやや弱い。くすみが出ることがあるが研磨で回復

代表的なAu–Ag–Cu配合による計算値です。実際の数値は各メーカーの合金(パラジウム・亜鉛・ニッケルの比率)により異なり、検査証明値ではありません。方向性は変わりません——金の原子比率が高いほど、硫化に強くなります。

⚠️ 正直にお伝えしたいこと

K18イエローゴールドにも、銅が約12.5%、銀が約12.5%含まれています。硫黄濃度の高い環境(温泉、工業地帯、ウールやゴムとの長時間の接触)ではK18でもわずかにくすみます。ただし速度がはるかに遅いというだけです。「絶対に変色しないK金」は存在しません。そしてこれらのくすみはすべて表面の現象であり、専門店での研磨で完全に回復し、地金そのものには影響しません。

K9・K14・K18、3色すべての変色速度一覧

ここまでの内容を1枚の表にまとめました。本記事で最も実用的な部分です。

地金目に見える表面変化のしくみ日常着用で変化が見え始めるおおよその時期回復の可否
K9ホワイトゴールドロジウムめっきめっきの摩耗(酸化ではない)12〜24か月(リング)/36か月以上(ペンダント)可・再めっき
K14ホワイトゴールドロジウムめっきめっきの摩耗(酸化ではない)K9と実質的な差なし可・再めっき
K18ホワイトゴールドロジウムめっきめっきの摩耗(酸化ではない)K9と実質的な差なし。露出時の色差はより目立つ可・再めっき
K18イエローゴールド金合金銅・銀の硫化数年以上。通常は目立たない可・研磨
K14イエローゴールド金合金銅・銀の硫化約2〜5年でわずかなくすみ可・研磨
K9イエローゴールド金合金銅・銀の硫化約6か月〜2年でわずかなくすみ可・研磨
K18ローズゴールド金合金銅の酸化・硫化約1〜3年で色調が深まる可・研磨
K9ローズゴールド金合金銅の酸化・硫化約6か月〜1年で色調が深まる可・研磨
K24純金純金なし変色しない(ただし非常に傷つきやすく変形しやすい)該当なし

上記の期間は業界の経験値と加速試験の傾向を総合した目安であり、肌質・気候・化学物質への接触に大きく左右されます。保証値ではありません。記載したすべての変化は表面現象であり、地金の純度や構造の健全性には影響しません。

ホワイトゴールドと金属アレルギー:鍵はロジウム層でありK数ではない

「K18のほうが肌にやさしい」というのも、検証に耐えない説明です。アレルギーの原因物質は通常ニッケルで、ホワイトゴールドの場合(白くするためにニッケルを使う配合であれば)そのニッケルは地金の中にあり、肌との間にはロジウムの層が挟まっています。

つまりめっきが健全である限り、肌が触れているのはロジウムであって、K数を問わず金合金ではありません。ロジウムは感作性の低い材料であり、敏感肌の方の大半がロジウムめっきのホワイトゴールドを問題なく着用できているのはこのためです。通常の状態では、ホワイトゴールドにおけるK数とアレルギーリスクの相関は極めて小さいといえます。実際に効いてくる変数は3つ、めっきが健全か、めっき厚が十分か、地金の配合にニッケルが使われているか、です。

変数アレルギーリスクへの影響K数との関係
めっきの健全性決定的——健全であれば遮断されるなし
めっき厚大きい——0.75〜1.0 μmで12〜24か月、フラッシュめっきは数週間で摩耗なし
地金にニッケルを含むか中程度——めっきが摩耗して初めて意味を持つ配合次第。K数ではない
金の含有量(K数)極めて小さい

⚠️ 例外として注意したい特殊なケース

もちろん例外はあります。以下の3つの場合には、地金の配合が実際に重要になります。

  • めっきが摩耗しきっている場合:1〜2年着用して再めっきをしていないリングでは、地金が直接肌に触れます。この状態でニッケルを含むホワイトゴールドだと反応が起こり得ますが、これはメンテナンス周期の問題であってK数の問題ではありません。
  • 白金族金属そのものに反応する場合:ごく少数ですが、ロジウムやパラジウムに反応する方がいらっしゃいます。その場合はプラチナ(Pt950)、あるいはロジウムめっきをしないパラジウム主体のホワイトゴールドが適しています。ご購入前に短時間の接触テストをおすすめします。
  • ピアスの場合:ピアス用の規制値はより厳しく(1平方センチあたり週0.2マイクログラム)、皮膚のバリアが失われているため、微量の溶出でも影響が出やすくなります。ピアスには厚めっきかプラチナをおすすめします。

かゆみ・赤み・かぶれが出た場合は、ただちに着用を中止し医師にご相談ください。

よくあるK18の4つの宣伝文句を検証する

文句その1「K18は酸化しにくい」

ホワイトゴールドでは成り立ちません(表面はロジウム)。イエローとローズでは一部成り立ちますが、その仕組みは50 at%の不動態化しきい値であって、「金は錆びにくい」という漠然とした説明ではありません。

判定半分正しく、多くは誤用

文句その2「K18は色が最も美しい」

ホワイトゴールドではまったく成り立ちません。K18の地色はK9より黄色く、めっき後は両者同一です。イエローゴールドについては成り立ち、K18の金色は実際に濃くなります。

判定ホワイトは誤り、イエローは正しい

文句その3「K18は輝きが最も良い」

成り立ちません。輝きは反射率と研磨精度で決まります。同じ仕上げ工程なら、ロジウムめっきのホワイトゴールドは下地のK数にかかわらず、めっきのないK金より明るく反射します。

判定誤り

文句その4「K18は日常使いに最適」

事実は逆です。K18は約125 HV、K9は約170 HV。日常着用で必要なのは傷とへこみへの強さであり、その点では低K数が有利です。K18の利点は資産性であって耐久性ではありません。

判定誤り

✓ K18が本当に優れている点

K18には、留保なしに認められる利点が1つあります。イエローゴールドとローズゴールドにおける長期的な耐変色性です。50原子百分率の不動態化しきい値を超えているためです。イエロー系のジュエリーを次の世代へ残すつもりで、定期的な研磨に出す予定がないのであれば、K18は理にかなった選択です。一方ホワイトゴールドの人工ダイヤモンドジュエリーでは、K18の価格差に見合う変色・色・輝きの向上は得られません。

MadisonDiaのホワイトゴールド仕様とアフターサービス

ここまでの内容を仕入れ仕様に落とし込むと、MadisonDiaの実際の運用は次のようになります。

項目MadisonDia市場でよくある対応
ホワイトゴールドのロジウムめっき厚0.75〜1.0 μm の業界標準仕様一部の低価格ブランドはフラッシュめっき(0.05〜0.2 μm)
選べる地金K9(AU375)を主軸に、K18とプラチナ(Pt)も通常対応。K14はオーダーメイド対応K18を主力とし価格上乗せが一般的
地金カラーホワイト・ローズ・イエローすべて同一価格色によって価格差を設けることが多い
K数はダイヤの規格に影響するかしません。中石の基準は変わりません
中石の基準(1ct以上)Dカラー/VVSクラリティ/3EXカット/IGI鑑定書/MISI™ 80以上まちまち
メレー・脇石(1ct未満)D-E-Fカラー、VS-VVSクラリティまちまち
完成ジュエリーのアフターサービス1年間の無償修理(再研磨・再めっきを含む)多くは有償
完成ジュエリーの返品14日間の条件付き返品まちまち
ルース(裸石)の返品30日間の無条件返品。全額返金、手数料なしまちまち
金属アレルギーへの配慮合金と肌を隔てる完全なロジウム層。敏感肌にはプラチナもご用意フラッシュめっきは保護期間が短い
店舗での実物確認尖沙咀・漢口中心 G11。予約不要でご来店いただけますまちまち

ニッケルについて補足します。EUのREACH規則 附属書XVII 第27項は、肌に長時間接触する金属製品のニッケル溶出量を1平方センチあたり週0.5マイクログラム未満と定めており、試験方法はEN 1811規格(英語)です。完全なロジウム層はこの要件を満たす最も有効な手段の1つですが、その厚みはK数とは無関係です。「K18のほうが肌にやさしい」が成り立たない、もう1つの理由がここにあります。

着用シーン別のK数と地金カラーの選び方

 

毎日着けるダイヤモンドリング

K9ホワイトゴールド。地金が最も硬く、めっきが薄くなったときの色差も最小。浮いた予算はより大きく美しい中石に回せます。当店のご注文の大半がこの選択です。

おすすめK9 ホワイトゴールド
 

受け継いでいくイエロー系ジュエリー

K18イエローゴールド。50 at%のしきい値を超えるため長く色を保ちます。硬度が下がる点は受け入れ、力仕事の際は外してください。

おすすめK18 イエローゴールド
 

濃いローズ色を求める方

K9ローズゴールド。銅の比率が高く、最も濃く赤みのあるピンクが得られます。色調の深まりは早めですが、研磨で完全に戻せます。

おすすめK9 ローズゴールド
 

テニスブレスレット・エタニティリング

K9ホワイトゴールド。パヴェ留めは接触面が多く屈曲も頻繁なため、地金の硬度が石の留まりとめっき寿命の双方に直結します。

おすすめK9 ホワイトゴールド

人工ダイヤモンド ルース価格の目安(税込・JPY)

カラットDカラー VVS2備考
1.0ct¥39,200〜IGI鑑定書付き
1.5ct¥65,500〜IGI鑑定書付き
2.0ct¥96,700〜IGI鑑定書付き

ルースの参考価格です。実際の価格は公式サイトの表示が優先されます。1ct以上の中石にはすべてIGI鑑定書が付属します。金相場は日々変動しますので、地金コストは毎日更新のゴールド価格ページをご確認ください。

どのK数を選ぶか迷ったら、店舗で見比べてください

漢口中心 G11 の店舗へ、どうぞお気軽にお越しください。専門スタッフとの対話を通じて、ダイヤモンドを直接お手に取り、MadisonDiaならではの品質とサービスをご体感ください。住所:香港 尖沙咀 漢口道 5–15號 漢口中心 G11。営業時間:毎日12:00〜20:30(土曜定休)※ G11はショッピングモール1階のフロアです(オフィスタワーではございません)。

店舗情報を見る →

よくある質問

ホワイトゴールドは酸化しますか?
しません。ホワイトゴールドの表面にあるロジウム層は、常温では酸素とも硫黄とも反応しません。ロジウムが酸化物を作り始めるのは約600°C以上です。ホワイトゴールドが「変色した」ように見えるのは、ロジウム層が摩耗してやや黄色い地金が露出したためで、化学的な酸化ではなく機械的な摩耗です。再めっきで完全に回復します。
K18ホワイトゴールドはK9ホワイトゴールドより変色しにくいのですか?
実質的な差はありません。どちらも目に見える表面は同程度の厚みの同じロジウム層で、耐変色性はめっき層が決めており、その下の金の含有量とは関係がないからです。むしろK9は地金が硬く(約170 HV、K18は約125 HV)圧力による変形が少ないため、めっき寿命にはK9のほうが有利です。さらにK9の地色はクールな白に近いため、めっきが薄くなっても色差が目立ちにくくなります。
K9ゴールドは黒ずみますか?
K9ホワイトゴールドはロジウム層に守られているため黒ずみません。K9イエローとK9ローズは銅と銀の比率が高いため、長期の着用でわずかにくすんだり色調が深まったりすることがあります。時期は肌質と環境によりますが、おおむね半年から2年ほどです。これは表面だけの現象で、専門店での研磨により完全に回復し、地金そのものには影響しません。
なぜ「金そのものは酸化しない」と言えるのですか?
金の標準電極電位は非常に高く(Au³⁺/Au = +1.50 V)、電子を手放しにくいため、常温常圧では酸素・水・硫化水素と反応しません。K24の純金が何十年経っても変わらないのはこのためです。K金に生じる変色はすべて、割り金の銅(酸化銅を生成)と銀(硫化銀を生成)に由来します。
ホワイトゴールドの再めっきはどのくらいの頻度で必要ですか?
毎日着けるリングでおよそ12〜24か月、ネックレスやペンダントであれば3年以上もつこともあります。プールの塩素水、香水、化粧品、アンモニア系洗剤はいずれも摩耗を大きく早めます。MadisonDiaでは完成ジュエリーに1年間の無償修理サービスを付帯しており、再研磨と再めっきも対象です。
K18に利点はまったくないのですか?
1つあります。イエローゴールドとローズゴールドにおける長期的な耐変色性です。K18は金の原子百分率が約55%で、不動態化の50 at%しきい値を超えているためです。なお「資産価値が高い」という説明については、K9のジュエリーはそもそも同じデザインのK18よりはるかに安く、金の含有量と価格がほぼ比例するため、支払った金額あたりの金の量で見ると両者は近い水準になります。そしてホワイトゴールドでは、K18に変色・色・輝きのいずれの優位もありません。
ローズゴールドはなぜ色が変わりやすいのですか?
ローズゴールドのピンク色はすべて銅によるもので、銅はK金の割り金の中で最も反応性の高い金属です。銅が多いほど色は濃くなり、変化も早くなります。K18ローズは銅が約22.5%、K9ローズは50%を超えることもあります。アンティークの世界ではこの銅のパティナは好ましい特徴とされており、お好みでなければ研磨で除去できます。
金属アレルギーがある場合はK18を選ぶべきですか?
必ずしもそうではありません。原因物質は通常、地金に含まれるニッケルであり、守ってくれるのは健全なロジウム層です。めっきが健全であれば肌が触れるのはロジウムだけですから、K数とはほとんど関係がありません。EUのREACH規則 附属書XVII 第27項は、長時間肌に接触する製品のニッケル溶出量を1平方センチあたり週0.5マイクログラム未満、ピアスは0.2マイクログラム未満と定めています。注意が必要な特殊なケースは3つ——めっきが摩耗したまま再めっきしていない場合、白金族金属そのものに反応する場合(プラチナが適しています)、そしてピアスです。かゆみや赤みが出た場合は着用を中止し医師にご相談ください。
K数はダイヤモンドの輝きに影響しますか?
影響しません。輝きはカットのプロポーション、シンメトリー、ポリッシュのグレードで決まり、枠のK数とはまったく関係がありません。MadisonDiaの1ct以上の中石はすべてDカラー・VVSクラリティ・3EXカット・IGI鑑定書付きで、さらに自社基準であるMISI™ 80以上をクリアしています。お客様がK9・K14・K18・プラチナのいずれをお選びになっても同じです。
予算は高いK数と大きなダイヤ、どちらに使うべきですか?
ホワイトゴールドの人工ダイヤモンドジュエリーであれば、ダイヤモンドに使うほうが合理的です。ホワイトゴールドではK数を上げても見た目や耐久性の向上は観察できませんが、同じ金額を中石に使えば、カラット・クラリティ・カットの向上は目に見えて分かります。地金そのものの資産性を重視されるのであれば、それがK18を選ぶ正当な理由になります。

関連記事

Is 18K Really Better? White Gold Oxidation, Colour and Lustre Explained
ブログに戻る