ダイヤモンド4C:カラット Carat | 重量と価値の解説
ダイヤモンド4C:カラット Carat
カラットとは?その由来
カラット(Carat、略称 ct)は、宝石の重量を表す国際的な単位です。多くの人はカラットがダイヤモンドの大きさを示すと思いがちですが、実際には重量のみを表します。
「カラット」という言葉は、カロブの種子(Carob、ギリシャ語:kerátion)に由来します。古代の宝石商は、重量がほぼ一定のカロブの種子を天秤の砝碼として利用しました。その後、この単位は世界中で宝石の重量基準として定着しました。
1カラット = 200ミリグラム = 0.2グラム。さらに1カラットは100ポイントに分けられるため、0.50カラットのダイヤモンドは「50ポイント」とも呼ばれます。ダイヤモンドの価格は重量のわずかな差でも大きく変わるため、現在の計量は千分の一カラット単位で行い、百分の一カラットに四捨五入されます。例:1.01ct
カラットと価格
ダイヤモンドの価格はカラットに比例して単純に上がるわけではありません。例えば、1.00カラットのダイヤモンドは、同品質の0.50カラットのダイヤモンド2つの合計よりも高価になることが多いです。理由は以下の通りです:
- 市場心理:1カラット、2カラットなどの整数カラットは需要が集中し、価格プレミアムがつきます。
- 希少性:高品質で大きいカラットのダイヤモンドは非常に希少であり、カラットが増えるにつれて価格が指数的に上昇します。
さらに、天然ダイヤモンドとラボグロウン(培養)ダイヤモンドでは価格推移が異なります:
- 天然ダイヤモンド:カラット増加に伴い価格が急上昇します。
- ラボグロウンダイヤモンド:価格上昇は緩やかで、同じ予算でより大きなカラットを選びやすくなります。
カラットとサイズ
カラットは重量であり、見た目のサイズではありません。カラット数と直径には相関がありますが、実際の見た目はカットのプロポーションに大きく影響されます。
例として、1カラットのラウンドブリリアントダイヤモンドは平均直径約6.3~6.5mmですが、深めにカットされた場合は見た目が小さく、浅めにカットされた場合は直径が大きくなりますが、輝きは減少します。
テーブル(Table)比率の重要性
テーブルとは、ダイヤモンドの上面で最も大きい平面のことです。テーブル比率(Table %)=テーブル幅 ÷ 平均直径。この比率は見た目の大きさと輝きに影響します:
- テーブル大きめ(>60%):見た目は大きく見えますが、光の反射が少なく輝きが減少します。
- テーブル小さめ(<52%):輝きは強くなりますが、見た目のサイズは小さくなります。
- 最適なテーブル範囲:ラウンドブリリアントカットでは54~57%が視覚的サイズと輝きをバランスさせる理想値です。
購入時には、カラットだけでなく、証明書(GIA、IGI)でTable%、Depth%、カットグレードを確認し、理想的なプロポーションを選ぶことが重要です。
ラウンドダイヤモンドのカラットと直径の目安
カラット (ct) | 平均直径 (mm) |
---|---|
0.25 ct | 約 4.1 mm |
0.50 ct | 約 5.2 mm |
0.75 ct | 約 5.9 mm |
1.00 ct | 約 6.4 mm |
1.50 ct | 約 7.4 mm |
2.00 ct | 約 8.1 mm |
3.00 ct | 約 9.3 mm |
注:実際の直径はカットプロポーションによって異なります。
購入のポイント
- カラットだけでなく、カットや輝きを考慮して選ぶ。
- 証明書のデータ(Table%、Depth%、カットグレード)を必ず確認する。
- 予算が限られている場合は、0.80~0.95 ctを検討すると、1 ctに近い見た目でお得。
- 重量 ≠ サイズを理解し、見た目のインパクトだけで判断しない。
まとめ
カラットはダイヤモンド評価において重要な要素ですが、重量のみを示すもので、見た目の大きさとは異なります。購入時には、カラットとともにカット、テーブル比率、輝きを考慮して、重量、美しさ、価値のバランスが取れた理想的なダイヤモンドを選びましょう。
ダイヤモンドのカラットに関する IGI の説明をご覧ください:
IGI カラット
